福岡地方裁判所飯塚支部 昭和37年(ワ)136号 判決 1963年4月17日
主文
被告は原告に対し、金九十万円およびこれに対する昭和三十四年三月一日から支払が終るまで年一割八分の割合による金員の支払をせよ。
原告のその余の請求を棄却する。
訴訟費用は被告の負担とする。
この判決は原告において、金三十万円の担保を供するときは主文第一項に限り、仮りに執行することができる。
事実
原告訴訟代理人は、「被告は原告に対し、金九十万円およびこれに対する昭和三十四年三月一日から同月三十一日まで年一割八分の、同年四月一日から支払が終るまで年三割六分の割合による金員の支払をせよ。訴訟費用は被告の負担とする。」との判決並びに仮執行の宣言を求め、その請求の原因として次のとおり述べた。
一、訴外山岡ヒサヨは昭和三十四年三月一日訴外永松照雄に対し、金九十万円を弁済期同年三月末日、利息並びに遅延損害金共に月三分の約束で貸与し、被告および訴外森岡光は右債務につきそれぞれ右永松照雄と連帯して保証した。
二、右山岡ヒサヨは昭和三十七年九月二十日原告に対し、右貸金元本利息および遅延損害金債権を譲渡し、同月二十四日付内容証明郵便をもつて被告および主債務者永松照雄、連帯保証人森岡光に対しそれぞれ右債権譲渡の通知をなし、原告は右各債権を取得した。
三、よつて原告は被告に対し、右金九十万円およびこれに対する昭和三十四年三月一日から同月三十一日まで右約定利率を利息制限法所定の利率に引直した年一割八分の割合による利息および同年四月一日から支払が終るまで約定による年三割六分の割合による遅延損害金の支払を求めるため本訴請求におよんだのである。
なお被告主張の抗弁事実は否認すると述べた。
被告訴訟代理人は、「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。」との判決を求め、答弁並びに抗弁として、次のとおり述べた。
原告主張の請求原因一の事実はこれを否認する。尤も、被告は訴外永松照雄が昭和三十一年頃から昭和三十三年三月頃までの間に訴外山岡ヒサヨから金五、六十万円の貸与を受けるに当り、これについて連帯保証をしたことがあるが右債務は昭和三十三年十月頃までに支払済みである。二の事実中、被告が原告主張の如き内容証明郵便を受領したことは認めるがその余の事実は否認する。
仮りに、被告が、原告主張どおり連帯保証をしたものであるとしても、訴外山岡ヒサヨは訴外森岡光に対する連帯保証債務を免除したから、被告は右金員の二分の一即ち金四十五万円についてのみ支払義務が存する。
証拠(省略)